Seven years in Tibet(1997) VHS鑑賞
物語 ★★★★☆
配役 ★★★☆☆
映像 ★★★★☆
トータル評価 ★★★★☆
久々のVHS鑑賞.アナログテープに詰まる歴史を感じる画像の乱れw
ストーリーと言うより,メッセージ性の強いノンフィクション映画.
チベットの議会が英語で行われるというハリウッドご都合主義はあるけど...
内容は,第2次世界大戦中にチベットを目指すハインリヒ(ブラピ)とペーターの2人が
戦争の捕虜になった後脱走してチベット入りし,ダライ・ラマとコミュニケーションを
とっていくが,ハインリヒの子供への思いとチベットの運命によって別れる,というもの.
ダライ・ラマとハインリヒの絆が深まっていった後,ダライ・ラマが中国からの侵略開始,
ハインリヒの子供への思いに気づいた状態で,ハインリヒに別れの決断をするところが
とても泣ける・・・こんな慈悲深い子供は・・・さすがダライ・ラマ.
実はこの映画を観て,チベットが中国に侵略されたままであることをはじめて知った.
ダライ・ラマがノーベル平和賞を取ったのは覚えていたので,てっきり解決しているのかと思っていた.
象徴的なのが,以下の2つのチベットの説明.
・ダライ・ラマ日本代表部事務所
・www.china.org.cnのチベット説明
どちらが真実の説明なのかは,他にチベットをぐぐれば一目瞭然であろう.
中国共産党が,本土統一の勢いでチベット政府の存在を帝国主義・圧制と勝手にみなし,
その解放を理由にこじつけて,寺院・仏像等の破壊・焼却を行い,ダライ・ラマを追放した
ままの状態である,が正しい解釈なのだろう.
発表された死者,その構成,損害,体制,民衆の反応などの違いもはなはだしい.
アメリカのイラク侵略,パレスチナ問題,ミャンマーの武装政権など,世界各地にはまだ
いくつかの紛争・戦略地域があるが,チベットに関しても同等,いやむしろ国際社会(国連など)が
時間の経過とともに関心が薄れたままの状態であるだけによりひどいのかもしれない.
中国は,日本には靖国問題や天然ガス問題,台湾問題などで強引な外交を取りつつ,
イラクはほぼ無関心の立場を取っているが,チベットに対して行っていることは
真実だとしたら(真実の可能性が高いが),本題をそらした行動を続けていることであり,とても卑しい.
中国の経済的発展にあやかるために他国が(国連すら)干渉できない,またはイラク関連で
うやむやになっているとしたら,情けない.
一度中国の人からも話を聞いてみてから最終的な判断をしたいが,
これから日中,米とも仲良くしていきたいのに,その気力はうせてしまいそうだ.
それくらいショックであった.